Reason

Story

テクノビューティーサプライの自社製品である「ブラウンヘアソープ」は、企画段階から約5年、30回以上の試作を繰り返して、ようやく完成した。頭皮の余分な皮脂を取り除きつつ髪がサラサラになることから、長年愛用するリピーターが多い。そのシャンプーはどのようにして生まれたのか、開発者である遠藤照夫会長に話を聞いた。

毛髪の権威だった先生との出会いが、
「ブラウンヘアソープ」開発のきっかけ。

私が髪に関わる仕事をするようになったきっかけは、1971年頃に海藻のシャンプーを知ったこと。素材一つ違うだけで、髪の量や質がまるで変わってしまうことに惹かれました。その後、毛髪に関わるインストラクターとして全国を回っていた時に、滋賀県で理美容の技術者団体の幹部で、毛髪の権威でもあった石井先生に出会ったことが「ブラウンヘアソープ」を作るきっかけです。

「ブラウンヘアソープ」を発売したのは1986年。当時は「色と香りが良くて、洗浄力が高いのが一番」と、化学成分を大量に配合したシャンプーばかりでした。
そんなときに石井先生は「できるだけ自然のものを使った頭皮用のシャンプーをつくろう」と。今でこそナチュラル志向は当たり前になりましたが、当時はそんなことを考える人は、ほとんどいませんでした。

取締役会長 遠藤照夫
取締役会長 遠藤照夫

当時は珍しかったホホバオイルに着眼し、
ナチュラルなシャンプーの原料に。

アメリカで育毛剤として使われていたホホバオイルに注目した先生は、これを原料にシャンプーを作ってほしいと依頼してきました。
パーマやカラー、加齢やストレスなどによって、頭皮の毛穴に皮脂が詰まってくると、毛根が小さくなり毛が生えにくくなります。また、皮脂は本来髪を保護し、艶やしなやかさを与える役割もあるので、皮脂の取りすぎも毛髪にはよくないのですが、ホホバオイルは毛髪の状態を整え、頭皮の過剰な皮脂分泌を抑える作用がありました。

試作品第1号として頭皮がきれいになるシャンプーは作れましたが、髪がバリバリになってしまう。先生はマイクロスコープで毛穴の汚れがきれいになっていたのでOKを出されたのですが、私は納得できなくて。開発を急ぐ先生にお願いして、その後も何度も試作を繰り返しました。

髪にもよいシャンプーを作るにはホホバオイルだけでは足りないと気づき、色々な原料を試しました。ローズマリーやカミツレなどの植物エキスや天然泥など、ナチュラルで高級化粧品に使うような原料を30種類以上配合し、ついに最高傑作ともいえるシャンプーを開発したのです。

出来上がったのは茶色いシャンプー!しかし、頭皮にも髪にも優しい最高傑作。

出来上がったのは茶色いシャンプー!
しかし、頭皮にも髪にも優しい最高傑作。

白やピンクなどのきれいな色のシャンプーが人気だった時代に、出来上がったシャンプーの色は茶色…。しかし、原料の配合は崩せないし、合成の着色料は使いたくない。そんな心配を抱きつつ、先生にお見せしました。
私が最高傑作と思って開発したものは、試作品第1号と同じように皮脂を取り除きますが髪はサラサラに!不安だった色のことも、先生の「こんなにクオリティが高いのだから大丈夫」という一言で、心がすっと軽くなりました。
実際に育毛にも効果があったようで、全国にある先生のサロンでの評判も良かったそうです。

ところが、シャンプーが完成して3カ月が経った頃、突然、先生が他界。お葬式を終え、後日「本当にいいシャンプーだから一般販売しても良いか」と先生の奥様にご相談させていただいたところ、「主人も喜ぶと思います」と言ってくださってので販売させていただくことになりました。

何より嬉しいのは商品が長く愛されること。

「ずっと悩んでいた髪のうねりが落ち着いた」「使い始めてからボリュームが出てきて、薄毛が気にならなくなった」など「ブラウンヘアソープ」を使ったお客様からは、さまざまなお声をいただきます。
以前、鹿児島にお住まいのリピーターの方に、お会いしました。たくさんのお客様にご利用いただいていますが、実際にお会いしたのはこの方だけ。膝まである長い髪の女性で、私どものシャンプーを長く愛用してくださっていました。
「このシャンプーを使ったら手放せなくなった」とおっしゃっていただけるのが、本当に嬉しい。先生と一緒に開発したこのシャンプーを、これからも守り続けていきたいと思います。

何より嬉しいのは商品が長く愛されること。